テクノロジー

筑波銀行はAIを導入してどう変わったのか?

ITによる業務拡大や作業の効率化が進められるなか、近年は特にAI(人工知能)を活用した事例が増えつつあります。職場のシステムを変えられるだけの利便性を持つアプリケーションは多く、その導入は決して難しくありません。

例えば以下で紹介する筑波銀行がAIエージェント「AMY(エイミー)」を採用した結果を見ると、AIによる顧客対応業務の進化がわかります。

1.筑波銀行が抱えていた課題

銀行業務において、顧客との親密な関係性は欠かせないものです。

しかし銀行の「役割」が多様化している昨今、顧客の要望に100%の対応をするのは、時間や労働力などのコストを考えると難しくなりつつあります。

スピーディーに顧客に対応し、顧客満足度を上げて、従来の業務フローの変更に負荷を感じさせないことがとても重要です。

茨城県に拠点を置く「筑波銀行」もまた、多くの業種と同じく業務におけるいくつもの課題を抱えていました。

時間コストの削減や複雑な質問に対するスピーディーな回答など、銀行業務の効率化を求めた結果、AIエージェント「AMY」を導入することになりました。

AMYはAIを用いたデジタルサポートシステムを持ち、人の手でカバーしきれない領域を支えてくれる次世代IT技術の結晶です。

単純なコストカットや業務改善案だけでは実現の難しい成果も、AMYに期待できるでしょう。

2.AIエージェント「AMY」とは

AMYとはインテリジェント・アシスタントにおける実績を複数持つ株式会社「Automagi」によって開発された、ビジネスシーン向けのAIプログラムです。

株式会社JSOLとじゅうだん会(筑波銀行を含んだ7つの銀行が参加するシステム共同プロジェクト)の協力によって、かねてより銀行への導入が進められていました。

「対話型で行われる自動応答システム」が特徴であり、人↔AIのコミュニケーションをスムーズに行わせる機能がAMYの最大の魅力です。

携帯電話キャリアなど通信系の事業で培われたノウハウが利用されているため、より高い「自然言語処理」が実現可能であり、意味が省略された話しことばに対しても適切な回答を提示できます。

利用に個人情報を必要としないことから、ユーザーにとっても非常に使いやすいツールになり得るのも特徴です。

AMYには独自の技術によって作られた解析ツールと言語ネットワークの構築・保有もあり、充実した学習機能が備わっています。

環境に合わせて洗練されていくAMYによって、業務効率化の後押しに期待できます。

同じ内容でしか返答できない旧来のAIと比べ、AMYは自由度の高いコミュニケーションが実現可能です。

ユーザー側がAMYに合わせて言葉を選ぶ必要がないため、AMYとの問答にストレスを感じにくくなります。

3.AIエージェント「AMY」の導入事例

AMYは既に、さまざまな金融企業でサービスを開始していています。

楽天グループの楽天証券株式会社では、AMYを用いたチャットボットによる対話型応答が始まりました。

単独の管理画面から複数のチャットボットを作成し、社内外に向けて高いオペレーションを実施しています。

AMYはりそな銀行への導入も行われていて、「りそなAIチャット」として顧客へのサポートが開始済みです。

その機能にプラスして多くの実績を持つことも、AMYが注目される理由となっています。

金融業務では顧客とのコミュニケーションに重きが置かれるため、少しもおろそかにすることはできません。簡単な受け答えしかできなかった旧来のAIでは、金融の仕事をサポートするには不足だと考えられていました。しかし、AMYの登場によって、ようやく金融業務でAIを使うべき時期がきたのです。

4.筑波銀行のAMY導入による効果

AMYの導入によって、筑波銀行には様々な効果が見られると予想できます。

例えば…

  • 24時間365日の応答
  • 窓口への問い合わせ数削減
  • AMYによる新しい顧客とのコミュニケーションの実現
  • より銀行業務に適したサービスをAMYの学習によって考案

など、AMYの導入にはさまざまなメリットがあります。

人間の労力がかかっていた部分をAMYがカバーすることによって、その他に力を入れることが可能です。

さらにAMYは機械学習を通して知識をデータベース化し、過去のパターンから問題解決を目指すことができます。

今後も発展するであろうAIによって、回答の精度は継続的に向上が見込まれるので、AMYはより優秀なAIエージェントとして業務をサポートしてくれます。

特に今後はAMYによってさらに業務が安定するので、AMYのチャットボットを窓口に「顧客が最初に相談したい銀行」、いわゆるファースト・コール・バンク(First Call Bank)として認識され、銀行と地域の距離がもっと近づくことを期待できます。

今後AMYは銀行業務のなかで学習した内容をもとに、よりスムーズな顧客対応を実現すると予測されます。

AMYがカバーできる領域が拡大すれば、銀行業務はさらに円滑になり、全体の効率化につながるでしょう。

蓄積されたデータを使って新サービスの考案を行うことも可能となるため、業界に足りない部分を補う方法の発見にも期待できます。

AMYによる自動応対はユーザーを待たせないので、顧客満足度も高まるでしょう。銀行にとっても顧客にとってもメリットが多いため、AMY導入が筑波銀行の大きな変化のきっかけになり得るのです。

5.今後もAMYのようなシステムが必要になる

筑波銀行の事例は、ITサービスを用いたひとつの事例として貴重なものとなります。

今後もAIをはじめとした「自動化」や「データ分析」等の最新技術の導入が、他分野においても業務改善におけるポイントになっていくでしょう。AMYならこれらのメリットをスムーズに提供できるため、今後も注目される存在になるでしょう。